2015年11月22日

架空まお

「今日はよろしくお願いします。いやほんと週末に限って寒いですよね。家出るのも億劫だったんじゃないかって思いますけども(笑)」

浅田真央選手「はい、よろしくお願いします。」

「実際でも、ご存知でした?僕のことって」

浅田「正直、知りませんでしたごめんなさい!今日本当に初めましてで。」

「ですよね(笑)一方的にこちらとしては、テレビで応援してる側なので。真央"ちゃん"なんて呼び方してますけども、同い年なんですよ。90年…」

浅田「えっ、そうだったんですか?ごめんなさい何にも知らなくて。」

「同じ月日を生きてきて、そちらは引退してから復帰までされてるわけですからね。想像するのもはばかられる世界ですよ。僕は大学出て、淡々とサラリーマンやってるんですけど。全然まだまだペーペーですし、一日一日語れるような出来事もないですし、ただ単純に話さえさせてもらえたらかなりありがたいっていう(笑)」

浅田「いや私こそ、毎日毎日学ぶべきことが多すぎて。えっ今おいくつなんですか?」

「ってさっきそのくだりあったばっかり(笑)僕への興味(笑)」

浅田「すみませんでした。」

「頭下げないでくださいよ!道歩けないですよ僕。抹殺されちゃいますよ僕(笑)」

浅田「抹殺?」

「ファンの方とかから。」

浅田「?」

「何も言ってないです。いきなりですが月並みな質問なんですけど、もしフィギュアスケートをやっていなかったとしたら、どんな職業に就いていたと思いますか?やっぱりスポーツ関係なのか、それとも全く別の分野なのか。」

浅田「うーん、考えたこともなかったです。自分がいちばん輝ける場所に立てていると思いますし。今のことで精一杯すぎて、他の可能性を考える余裕なんかありません。」

「そうですよね。復帰までされてるわけですしね。誇りをお持ちですから。僕が一回でも仕事引退なんかした日には、帰ってくる気なんかさらさらありませんもん(笑)」

浅田「はい。」

「お姉さんのことどう思ってらっしゃいます?」

浅田「え?姉ですか?」

「舞さん。バラエティなんかで、妹の才能に嫉妬してグレちゃった、みたいな話を披露してる場面も結構ちらほら見ますけど。妹の立場からしたらどう考えてるのかなーと気になったので。僕からなんかしたら、それこそ妹のネームバリューにすがって露出してるようにしか映らないんですよ。容姿的に際立って優れてるってほどでもないですし、利用できるもんは利用しておけっていう魂胆が滲み出てませんか?今のうちに稼ぐだけ稼いでおこうみたいな。ぶっちゃけラクしてませんか?お姉さん。」

浅田「たくさん言われ慣れてきましたよ。そんなことは。」

「あ、はい。」

浅田「用意してきたんじゃないですか?今の質問。」

「いやまあ、ある程度はシミュレーションしてきてますけども…」

浅田「"こんな一般人の僕が少々切り込んだ質問を用意してきたことで、一目置かれよう”って下心があったんじゃないですか?ヘラヘラ笑って。あなたのことなんかこれっぽっちも知りませんけど、トモダチの装いだけ適当につくろったって仲良くなれませんよ。第一、舞は、舞さんは、実際血が繋がっていないんです。」

「あっ、えっ!?そうな、あっ、えっ!?」

浅田「全部ショーですから。貴方の知らないところで、貴方の知らないたくさんの人間が関わってるんですよ。だから、ちょっとテレビで見たぐらいで、こっちの心境まで察されちゃ、たまったものではないんですよ。人にはそれぞれ事情があるんです。」

「人にはそれぞれ事情がある。それ僕もずっと働きながら考えてます。」

浅田「食らいつかないでください。」


冷たい現実がさながら銀盤の上に横たわっている。
我々の人生は"フィギュア"の様に操られているに過ぎないのだ。

ありがとうございました。
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posted by しきぬ ふみょへ at 02:06| ラスベガス ☀| Comment(0) | 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする