2016年04月19日

意味のヲタ

4/17で26才になった。


twitterでお祝いの言葉を投げていただいた皆様、感謝しきりです。ありがとうございました。自分は人におめでとうという言葉をかけるのがかなり苦手で、心と骨盤が歪んでいるので、俺みたいなもんに祝われたってしょうがないだろとつい飲み込んでしまって「おめでとうございます…」と奥底で念じるだけで済ませてしまうところがある。決して祝ってないわけじゃないんですよ。だけども強く念じただけで伝わるSNSはまだ登場してないし、26才なので「言わなければ伝わらない、言ったら伝わる」を学びます。


先からハロー!プロジェクトに所属している方々に関心がある。ハロー!プロジェクト、通称ハロプロは平たく言えば容姿の優れた女の子たちが所属しているユニットをさらに束ねる胴元で頂点につんく♂がいる。最低でも5人若い女の子がいるユニットが複数に分かれていてこんなもの覚えられるわけないだろ、若い女の子の顔なんかみんな一緒なんだから、とくくっていたが関心というのは恐ろしいもので研修生も含めてすっかり記憶をしてしまった。大事なリソースを割いているのだから仕事が出来なくなるというのは当然のことで、いくら会社で無能をせめられようが胸を張って俺は今のモーニング娘。のメンバーの名前を挙げていってやる。12人いる。


誕生日、ハロプロの1ユニットである「℃-ute」の握手会兼ミニライブに行った。千里中央駅という大阪の大動脈、御堂筋線の終着駅で、そのもう反対側のなかもず駅から電車に乗る。集合は朝の7時。路線情報で調べると5時半には起きないと間に合わない計算で、もし朝起きれなかったらもうサボってしまおうかな、と気持ち半々で布団に入ったら、心のどこかでワクワクしていたらしく4時半に目が覚めた。赤のAXEを吹きかけちょっとカラフルなシャツを着ておしゃれをする余裕まであった。


時間に現場に着き、恩人であり上官であり諸悪の根源でもあるタクスさんと落ち合った。なんの疑問も持たずに「じゃあ7時に」「うん!!」と命令されるがままに千里中央に来てみたけれども、理由は「早く来ることにより、ステージから近い場所ででライブが見られる確率が上がる」っていうんで、えらいものでなるほど!!としか感じませんでしたその時は。その時点で集まっている人数は10人少々で、周りの雰囲気を察するに絶対今日が初回であるわけがなく、オタクの有馬記念になぜかゲートインしてしまい震えおののくしかなかった。


朝は天気がぐずついていた。タクスさんはピンク色の折り畳み傘を持ってきていたのだけども、「ピンク色の折り畳み傘を持っている=℃-uteの鈴木愛理ちゃんのイメージカラーはピンク色=鈴木愛理ちゃんを推しているに違いない」という三段論法からの一点突破で知らない人間が話しかけてきた。何なんだ?と身構えると、「℃-uteの中島早貴ちゃんと元特命戦隊ゴーバスターズのイエローバスターこと小宮有紗ちゃんは生年月日が同じで容姿も似ている」「安藤美姫と絢香も生年月日が同じ、運命を感じる」という若い女性の生年月日にまつわる情報について教えてくれるただのNPCだった。今回便宜上彼を"情報さん"と呼びます。情報さんは「濡れてもええように」とウエットスーツのような上下ピチピチのタイツに素足でクロックス、というもはや、濡れてもええように、ではなくむしろ「濡れに」来ている出で立ちで、持っている情報をさんざん伝えると行方をくらませた。タクスさんと、「俺達はまだ普通だ」という確認をした。


係員からの誘導があり階段に並び、チケット販売開始までの2時間少しを待つ。雨が降ったり止んだり、その度に傘を差したり閉じたり、誰の顔も名前を知らないが「℃-uteが好き」、と「雨が嫌い」という共通点が確認できてよかった。タクスさんは℃-ute好き界でも顔が利き、多様な人種と交流していて人柄の権化だった。女性も男性も若いも年配も、市議会議員みたいなジャケットを羽織った、「ひょっとして℃-uteを呼んだ側の人間か?」という風貌のおじさんとも会話を交わしていて底知れなかった。


膝の皿がほとんど剥がれるまで立ちぼうけていたらようやく、スタッフのメガホンでテントまで誘導され、ミニライブに参加し、なおかつアイドルと握手ができる権利が得られるCD予約券を申し込む順番が来た。小さいテントで長机の上に申込用紙とボールペンが無造作に置かれていて、「仕組み!!」と叫びながらなんとか1,080円×(午前1回+午後1回)=2,160円を支払い、チケットを手に入れた。戻ろうとすると、早朝からゲートイン完了していた人たち、いい加減顔も覚えてしまった人たちの様子がおかしい。うなだれている。チケットに印字された番号が若ければ若いほど前の席なんだけど、それが平気で「900」とかそういう番号で、というのも要は早く集まろうが今来ようが関係無かった、完全にランダムだったと。読みが外れたと。打ちのめされた人たち。しかしすぐさま外れた膝の皿をはめ直すとまた列についていた。そして我々はどうしたか。列につきました。


午前1枚、午後2枚と権利を手に入れた。そして5枚の権利を手に入れたタクスさんと、その人脈で前日も名古屋のライブでタクスさんと会っているという、漫才ブームのB&Bみたいなスケジュールで動いているKさんと3人でサイゼリアでご飯を食べて時間を潰した。ペペロンチーノをいつもの癖で注文しようとしてしまったが、はっ、女の子と接する、とにんにくを気にしてほうれん草とベーコンのやつにした。


先ほど並ばされた階段に番号の若い順番に再整列。今度リリースされるトリプルA面の1曲に「何故 人は争うんだろう?」という曲が収録されている。人より優位に立ってやろうと朝7時にのこのこ現れたオタクへのメッセージソングとして「何故 人は争うんだろう?」と問いかけてくれていたと気づいた。だんだん空模様がよくなり、自分の番号が呼ばれ、ステージに集まる。係員からポリ袋が渡されたが、これは手荷物を入れ、爆弾やナイフなどを無効化するためらしい。確かに爆弾やナイフなどを持ちかねない我々の行動パターンを見透かした措置と思った。午前公演はタクスさんと番号が近かったので、隣同士になった。そっとペンライトを渡された。


わかりました。やります。ペンライトを逆手に持って身構える。アナウンスがあり、℃-uteの5人が出てきた。インターネットの動画で見たことのある人達が、ダルシムの強パンチの射程ぐらいの距離にいる。


「アーアー 喋ってはるアーアー、アーアー歌(うと)てはる、アーアー踊(おど)てはる、アー」・・・ライブが終わっていた。さっきペンライトを渡してくれたオタは「岡井千聖ちゃん」としか言葉を発していなかったし、もっと原体験に近い俺は「意味!」「感情!」とステージの上の可愛い女の子5人にただの何でもない熟語を言っていた。
一旦ここで人生や培いがゼロになってしまった。さーっと雲が晴れ、太陽が差してくる。午前のライブが終わって、千々になっているファンの中で、さっきの情報さんは「単にTPOを間違っている人」になってしまっていた。


ミニライブの後は握手会で、℃-uteの5人が横一列に並んでいるところに、せいぜい1人2秒、手を握っては離れる、計10秒のチャンスが与えられる。F1のピットインレベルの秒速の勝負で、これほどお笑い消耗時代と言われ1分そこらのショートネタの是非が叫ばれる昨今、「2秒」でアイドルにウケることが果たして可能なのか?プロットを考えた、俺には午前午後とチャンスがある。午前の部は「今日、誕生日なんです!」でいこう。握手の順番の前、券をサイフにしまったのを忘れて全身をまさぐるというコメディがあったけれども乗り越え、5人に握手をした。1人2秒計10秒で通算5回の「おめでとう」を叩きだした。アンタッチャブル・レコードであり、人生で更新するべくも果たして不可能だろうという数字です。だがここで終わりでなく、午後の部の詰めに入る必要がある。タクスさん、Kさんという知の賢者2名と喫茶店で時間まで肩を作った。

午後の部の権利を入手するチャンスはまだ残っていて、会場内に「まだ若い番号が残っている」という伝令が駆け巡り、タクスさんがテントから帰還、チケットをめくると数字は「32」。四浪して東大受かった奴か?ぐらいのボリュームで雄たけびをあげたかと思うと、天を仰ぎながら光に包まれて死んでしまった。


午前は「アーー」で終わってしまったんだけど、多少は平静を取り戻して望む午後の部はひとりひとりを「すげぇな」と噛み締めつつ観れた。℃-ute、居るんだな、同じ次元に。同じ次元というくくりで俺が在ってもよいのか?怒られないか?誰に許可を貰えばいいんだ?役所の次元課か?しかし、良かった。素敵だったので。


2周目の握手。1人目から、中島早貴さんには「大阪にまた来てください!」と伝えたら「絶対また来ます!」と、中島早貴さんが大阪に来るまで俺が居住をする意味が出来た。萩原舞さんには「お願いします」と具体がゼロの依頼をしてしまった。鈴木愛理さんに「今日、誕生日なんです!」と、繰り返すやつをやったら「おめでとう!さっきの…?」と"認知"があった。俺は鈴木愛理さんに認知されたぞ。矢島舞美さんにも誕生日を改めて伝えた。1回めと同じ温度で祝ってもらった。矢島舞美さんはフラットだ、水平の美しさ。

5人目、岡井千聖さんに、ラストだから2秒でなく2.2秒ぐらい、零コンマ2秒ほどのありがたい猶予が与えてもらえる。スタッフに剥がされる一瞬の名残でもう1センテンスのコミュニケーションが取れる。奇をてらわず、突飛すぎているんでもないちょうどいい温度のやり取りがしたい…。

「僕も、アイドルになりたいんです」という疎通、が1秒半ほどで、「なれると思う!」までで2秒弱。うまくいった。スタッフに剥がされる。岡井千聖さんに両手のサムズアップをしてもらう。あの両手のサムズアップにどれだけの意味という強度と塩分が含有されているか。

もう1枚権利は残っていたけれど、このいいイメージのまま終わりたい、今できる最高のパフォーマンスだったと自負をしていたのでタクスさんに権利を譲った。6周するオタクを日陰から観た。

応援をしてもらうのは何よりもパワーになるんかい、なるほどそれでアイドルという職業がいかに現代に肝要であるか、と糸口が掴めました。ぼーっとしたまま、夕方になり、もう選択肢について考える余力がなかったので、さっきと同じサイゼリアでご飯を食べた。デカンタ白ワインとアイドルと生ハムと、もし彼女たちと同じクラスになったとしたら、の妄想座席表で2時間ねばった。「この娘にはウケれる」「この娘にはウケれない、笑いが通用しない」「この娘はウケたふりをしているだけ。おれたちは馬鹿なので気づかない」と、この期に及んでちょっと現実の要素をないまぜにしようする悪あがきが、あれ?これがキモいというやつか?


4/23には大阪城公園ホールに行きます。Juice=Juiceというアイドルのライブを見に行くので。1週間経ったらいろんな意味を忘れてしまうので、意味を確認しに行きます。意味最高!

posted by しきぬ ふみょへ at 12:30| 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする