2013年09月21日

テラビシアにかける橋 感想文

Twitterで皆様にオススメの映画を聞き、感想文を書くコーナーを設けました。
記念すべき1本目は結婚氏より『テラビシアにかける橋』(07)です。



df7bb5c7e5690f4ab44434c22b8f12c1.jpg



アメリカのド田舎が舞台。
主人公のジェスは上下女に囲まれて家では父親以外で唯一の男。菜園の土いじりやら力仕事・雑務は彼に回され、家庭内での力関係はおのずと弱く(お下がりで女モノのスニーカー履かされて学校に行くシーンの死んだ目)、学校でも悪ガキにドツかれても反抗しない。ジェスが自分の世界に浸れるのは、空想をスケッチブックに描いている時ぐらい。


そんなある日学校に都会から転校生が来ます。レスリー。引っ越してきたのはジェスの家の隣。シュッとしてます。半袖の下に長袖。当然のごとく目をつけられます。俺もイジめると思います。半袖の下に長袖を着ているから。でもこのレスリーは全く動じない。「カッペ共がいくら絡んでこようが関係ない、あなたたちはSATYで洋服を買っているから」というような鼻持ちならない印象ではなく、異様にアイデンティティのしっかりしてるが故。両親が小説家で本人も文章が達者なんですが、「私と親は関係なくて、そういうもの」と語るシーンが後々出てきます。周りと比べて精神的にだいぶ高次にいる。


ジェスとレスリーは芸術、センスの部分で通ずるものがあり、なんとなく互いに惹かれ合うように。スクールバスで2人降り、危ないから入ってはいけない、とジェスが親から止められている林の中にレスリーはお構いなしで彼を遊びに誘う。小学校高学年の頃の女子がリードする感じ!!!!この感じ!!!!木の枝にくくられていたロープで川を渡りしばらく行くと、大木の上に朽ち果てたツリーハウスが。Secret Base〜君がくれたもの〜です。レスリーはそこから「心の眼」で眺める辺り一帯の緑を「テラビシア」と名づけます。


普段日常で起きている出来事、空想とをシンクロさせ、そこに「心の眼」というフィルターを通すことで、テラビシアでは外界では考えられないモノが現れます。学校でジェスにちょっかいをかけてくる連中や、最上級の8年生で一番権力を握っているブス、でも将来的になんやかんや看護の資格とか取りそうなブス、そんなブスがモンスターになって襲いかかってくるわけですね。苔まみれ大巨人、ことブス。


最初はボロボロの基地も次第にキレイになり、王国の決まりも2人で考え、どんどんテラビシアでの生活が楽しくなっていく。ここでの経験を活かしながら、学校や家庭内での揉め事も解決していきます。



ド田舎に似つかわしくない音楽の美人牝教師エドマンズ先生が、日頃からジェスの芸術的才能に一目置いていたこともあり、ある週末にジェスを美術館に招待します。ジェスも美人牝教師からの誘いにテンションが上って2つ返事でOK。先生の車の助手席に乗せてもらい生まれて初めての美術館に向かう途中、ふとレスリーのことが気になります。が、もう既に脳内に豚が走り回っているジェスは今目の前のデートに夢中、楽しいひと時を過ごして家に帰ると、そこで信じられないニュースを親から聞かされます。事故でレスリーが死んだと。テラビシアに渡るためのロープが切れ、川に落ちてしまったらしい。


ここから彼は、口うるさいババアの担任の先生、父親といった、ともすればいつもは敵に回ることの多かった大人たちの言葉でレスリーの死、すなわち現実を受け入れていきます。グッときたのが、レスリーの死後、回想や演出でさえ彼女は画面に一切出てきません。「レスリーはいつも心の中に(テラビシアの夕日をバックに手を振るレスリー、チャリで転ぶ駐在さん)」的シーンを挟まないことで、ジェスの、それまでの空想が主だった夢のような生活に鋭角に突き刺さってきた事実が否が応でもびしびし伝わってくる。


ジェスは最後、引っ越していくレスリーの両親が元いた家の空き地に残した材木を拝借し、ロープの代わりに、テラビシアまで架かる橋を造ります。すさんでいたせいで辛くあたってしまった妹・メリンダをテラビシアに王女として招待し、今度はジェスが「心の眼」を妹に教え、美しいテラビシアが目の前に開けるところで終わり。90分、お子様や童貞でも飽きずに最後まで楽しめると思います。


レスリーはモチロンめちゃ可愛いですが、彼女が亡くなった後、それ以前にとある件で仲良くなったいじめっ子のブスがジェスの隣りに座ってニコッと慰めの微笑みを投げるシーン。良かった。ブス、デブが立っている映画は好き。
posted by しきぬ ふみょへ at 14:50| ラスベガス ☀| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]