2015年02月21日

夏目漱石『それから』

読んだ本で感想文を書こう、文章を書く練習をしよう、と思ってたのに全然書けない書けない。年末にWii Uを買ってからというもの、スマッシュブラザーズを延々とやってしまう日が増えた。スマッシュブラザーズを延々とやってしまって後悔する、という行為を小学生から繰り返し繰り返し、四半世紀が経とうとしている。羽生 結弦くんは金メダルを獲りました。

学生の時はそれなりに本を読めていて、朝マックが始まる時間にマクドナルドに2時間立てこもり、尻の肉に感覚がなくなってきた頃モスに引っ越し、2時間立てこもるという脳と尻しかシナプスで繋いでいない生活を続けていた。その間ただひたすらに活字に目を通すか窓越しに碇ゲンドウのような佇まいで格好をつけて外を眺めていた。200円しか払ってないのに。

働き出してからは「読もう!」と本に向かってもしばらくしないうちに気を失ってて、電気つけっぱなしで出勤時間を迎え、うつ伏せのままベルトコンベアで会社まで行って帰ってきて続きを読もうとしても前の内容を覚えてない。虫に近づきつつある。なんとかしたいのでとりあえずWii Uを窓から捨てて、キーボードに向かっている。

夏目漱石の『それから』を読みました。学生時代も読んでて、三十路でニートの主人公が、オンナと駆け落ちしようとしたけど金がなく。親にせびったらぶっ飛ばされたので職探しに行く、という話です。
酒の席、古くからの友人で、とっくに働いている男に向かって主人公は言います。


「僕の知ったものに、丸で音楽のらないものがある。学校の教師をして、一軒じゃないもんだから、三軒も四軒も懸け持をやっているが、そりゃ気の毒なもんで、下読したよみをするのと、教場へて器械的にかしているより外に全くがない。たまの日曜日は骨休めとか号して一日ぐうぐう寝ている。だから何所どこに音楽会があろうと、どんな名人が外国からうとに行く機会がない。つまりがくという一種の美しい世界には丸で足を踏み込まないで死んでしまわなくっちゃならない。僕から云わせると、是程憐れな無経験はないと思う。麺麭パンに関係した経験は、切実かも知れないが、要するに劣等だよ。麺麭を離れ水を離れた贅沢な経験をしなくっちゃ人間の甲斐はない。君は僕をまだ坊っちゃんだと考えてるらしいが、僕の住んでいる贅沢な世界では、君よりずっと年長者の積りだ」


これを聞いた友人は「うん、いつまでもそういう世界に住んでいられれば結構さ」と吐き捨ててその幕は終わります。今の自分がこのセリフを目の前で吐かれた日には、おそらくそんな「言ってろバーカ」ではなく卓に置いてあるJINROの瓶で頭を割っていると思うんですが、確かに、自分がまだ働く前、デスクで「ワ〜〜〜ッ!」と頭を掻きむしってふと気がついたら1週間ぐらい一瞬で過ぎ去っているような今のくらしは想像してない。好きなときに本を読んで、映画を観て、漫喫でDMMチャンネルを楽しんでいた時代に戻れればなあと思ってしまう。


友人の奥さんは、仕事にばかり明け暮れる夫にいつしか「愛されていないのでは?」と不安を抱き、その心の動きを察した主人公が「俺が救ってやらねば」と先述の駆け落ちにつながっていきます。奥さんまで寝取られる。「麺麭の為」に生きているうちは人の目に魅力的には映らない。つまるところ余裕があって、汗の臭いがせず、ツーブロックが似合わなければ幸せになる権利がないのか?この話は、タイトル通り、主人公が最終的にどうなるか、までは描かれていません。職を見つけ、友人と同じような考えを持つに至るのか、それがどうしても出来ずにオンナを手放すのか。書いてる自分としても、またしばらく時間を置いてから読み返した時に、果たしてどっち寄りの位置にいるのか。気づいたらこうなってました、ではなく、こうしたからこうなった、という軌跡をちゃんと残しておきたい。羽生結弦くんが2枚目の金メダルを獲るころ、俺はどうなっているだろう。ガンバレ、ゆづ!!俺も負けねえからよ!!!


バチバチバチバチバチ!!!!!!!!(電気イスのレバーが倒される)
posted by しきぬ ふみょへ at 17:31| ラスベガス ☀| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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