2015年04月10日

『マン・オン・ザ・ムーン』



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観ました。


アンディ・カウフマン(1949-1984)という、若くしてこの世を去った怪芸人の伝記映画。演じているのはジム・キャリー。

客を笑わせるというよりも、「いかに世の中をバカにするか」に一点集中してるような男。「金で釣った風俗嬢を生放送で暴れさせたらウケる」「客の女をステージに上げて、マジでレスリングやったらウケる」みたいな無茶苦茶なことばかりやったせいで、一部からはやたら評価をされたにもかかわらず、残りから叩かれまくってカラッカラに干されてしまった。



「違和感」こそが面白い、と考えていた人だと思う、「こんなぶっ飛んだことやってるオレ、状況、現象が超ウケるだろ」と、常に一個上の次元から物事を捉えているような。意図的に生まれないものをあえて作り出そうとしている。さらに言うと、「自分」=「違和感の正体」でいる状況って実はかなり気持ちよくて、その快感に取り憑かれた人だったんじゃないだろうか。平日、ビシッと高級なスーツを着てゲーセンで太鼓叩いてたら自分で自分にかなりウケる。だけど、そんな非日常ばかり味わってると消耗するし感覚も麻痺する。アンディ・カウフマンはヨガにハマっていて、出番前は楽屋で1時間半必ず瞑想していたらしい。都度都度リセットする必要があったんじゃないか。


そうとうにストイックな人だったらしく、コントのキャラに扮するとき以外、酒やドラッグは全くやらなかったらしい。好きなのが、生放送のコントでマリファナ中毒の男をやってくれ、と頼まれるんだけど、放送中に「こんなの出来るかこの野郎」とブチ切れて共演者と本気のケンカを始めてしまう。急遽CMに入って、舞台袖で観ていたプロデューサーがニヤニヤしながら「いや、アイツはああいう尖った奴なんですよ。ドッキリですドッキリ。CM明けネタばらしね」と"俺はそういうの分かってますよ"感バリバリで指示出すんだけど、いざCM明けたら、一拍置いてまたブチ切れ始めたのを見て、みるみる焦った表情に変わって「おい!!!CM行け!!!」て叫ぶシーンです。ここはすごくよかった。生半可に近寄ってきてる奴をバサバサ切り刻んでるのがいかす。そうやって突き放して突き放して、味方が身内しか居なくなって破滅してしまうのは切ないですが。でも、ラストのラストまでとことん裏切りに徹してるのが格好いいです。


ジム・キャリーの表情筋を移植してくれ
posted by JET at 21:28| ラスベガス ☀| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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