2016年04月04日

悪い人の声を聞くな

中学校3年、卒業式の前日予行練習で、心の底から嫌いだった腕力きちがいの陰口を叩いていたら本人にばれ、ちゃんとカラーをはめ込み、ホックのところでパチっと止めていた制服の襟をグワングワン揺さぶられ投げ飛ばされた。俺はバレーボール部だったが下手くそだったので日々顔面にボールをもらっていたのでメガネのスペアが無かった。襟首取られている間もメガネを高く掲げ、明日からの視界を奪われないように必死だった。前日のリハという事もあり全校生徒が参加させられていたので、400人弱の面前で首投げをされた。今振り返るとあまり興行的に振るっていないプロレス団体よりも大勢の前で暴力を振るわれたことになる。陰口の内容も、寒い時期なので体育館にジェットストーブが置かれていたのだけど、「いくらでかかろうがあのストーブに突き飛ばしてしまえば殺せると思う」といったハードコアマッチ思想が入ってたのでしょうがない。「やってみろよ!!」と胸元を掴まれてた時怖かったなー。出来ないに決まってるじゃないすか。メガネなんだから。


そんな腕力きちがいは地元ではセーフティーネットになっている私立高校を中退したのだが、キリスト系の福祉専門学校に入り直し、介護の仕事に従事しているらしい。メガネお笑い好きラジオ好きメガネメガネをぶん投げるパワーで老人の1人や2人、面倒見るなんて造作も無いだろうし、イエス様の教えに感化を受けたかどうかは知らないが、生きるという面ではまじめをやっている。田舎ほど結婚も早いが彼もそうで、俺が常日頃からかなりほしい自分の子どもを早々に作り、養っている。大学進学なんかせずに田んぼとセックスしていれば今の夢なんか一瞬で叶ったんだろうが、スーパーマリオブラザーズでも1-2から4-1まで飛びたくない派、過程をしがみたい、しゃぶりたいのでこっちのほうが長く楽しめるはずだ、という一点に期待を寄せてなんとか保つ。


俺はいじめられた経験はないです。この野郎の振る舞いにイライラはしていたけれど、明確にターゲットになった経験はない。その首投げまでは。日常的には、学年内でブスな女の子やアゴのいがんでた男が腕力きちがい一派にハチャメチャにいじめられていた。知ってはいたけれども、そこにイラつくばかりでなんとかしようと動いたわけでない。ああ、嫌だ、死んでくれたら嬉しいな!と願っていたばかりで実際に殺すのは法などにも触れるし、受験で市内の公立に受かったので出来なかった。いま、そのブスの女の子はちゃんと食いっぱぐれのない鈑金工と結婚して幸せに暮らしているらしいし、アゴの男は県内の大学医学部にストレートできちんと収まった。卒業後の道筋は知らないが踏み外すこともないだろう。


いじめられていた経験、あるいはいじめていた経験を大人になってから喧伝している人がかなりいる。義家弘介、絵本作家のぶみが嫌いだ。宇梶も嫌いだ。暴力を振るった経験を肯定している。そんな時代もあったねと、で済まされる問題でない。お前が摘んできた芽に宿っていた生命を背負えている覚悟があるんであれば決して世に出て目立とうとなんてしないだろ。面の皮の厚さが世渡りの最重要項であれば生きづらい。いじめられていた経験で飯を食おうとしている人間もそうだ。こないだ買ったクイックジャパンにも、奥田愛基とコムアイが学校で疎外感を覚えてふらっとエスケープしましたという話題で盛り上がっていた。盛り上がるな。"それでもなお"学校に通っていた人間に対しての引け目、を背負っていてくれないか。と怒鳴ろうとしたがコムアイさんは慶應義塾大学を卒業されていたので、うん、ひとまず置いておきましょう。奥田愛基、筋肉質の男性に首投げされてくれ……。ネットの殺人予告も怖いだろうけども、マジで不意に現れた筋肉質に首投げされてくれ……


「克服」による説得力、伝播のスピードを今一度洗うべきだ。世に出たいためなら周りにいじめられろ、あるいはいじめた後に後悔をし反省をすればOK、というテンプレートを母子手帳の1ページ目に書きかねない。安易にウケすぎだ。いじめるのも、いじめられるのからも腕振って走って逃げてくれ。形だけの更生で安易に認められたやつがこんなにも受けいれられるのならば、それを見越して、そもそも世に認められるために人間に悪を働け、という教訓がまかり通る日が来かねない。何ごともなかった人の意見を聞くことが流行る日が来たらいいのに。



明日仕事場で女子更衣室の模様替えに駆りだされます。ロッカーの移動をします。女がやれよ。俺は関係ないだろ。


posted by JET at 00:50| 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする