2015年03月12日

メイド喫茶

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大阪に引っ越してから日本橋にばかり通っている。東京でいうところの秋葉原みたいな場所で、最近は黒いマスクをしている人間をやたら見かける場所だ(個人的には鴉(からす)と呼んでいる)。別段アニメやアイドルにハマっているというわけではない。会社の寮に住んでいるので、土日の片方にでも「お出かけした」という実感を得ないとやっていられないからである。


しかし、本当にただ赴いているだけで、必ず寄る店があるわけでないし、顔なじみがいるわけではない。最近、道中のセブンイレブンでハイボールを買い、往来のど真ん中で飲みながら不敵にニヤリと笑うという"東京"を経験した人間のみに許された遊びをしているがそろそろ痛い目を見そう(殴られるなど)なので止めにしたい。アニメイトやとらのあなに入っても、玄人が指2本で同人誌の背表紙を猛スピードで次々とめくっていく名人芸を後ろから眺めつつ心の中で拍手するぐらいしか面白い事がないので、これだけ通っているのだから、せめて行きつけの店なり、これは、と思う場所を確保しておいてもいいのでは、と熟慮を重ね、メイド喫茶に入ることにした。浅い。


メイド喫茶には昔、女の人と初めて2人きりで遊びに行った時に入った事がある。ノリでメイドさんと2人きりでちょい離れた席でゲーム(記事のトップ画像のやつ)をやる機会があり、「彼女さんですか?」という質問に「ええ、まァ、そうっス…」と答えてしまった。以来、友人と話す時はその女性を経験人数の1人とカウントして話している。その女にボッコボコに振られた話はそのうちここで書きます。もしくは新潟の実家で話します。


さて、店に入ると、奥の壁際、隅から2つ目のテーブル席に通された。左右には誰も座っておらず、店内を見渡してもそれほど混雑はしていない。とりあえず、メニューに目を通す。この店では、アニメキャラを冠した料理、飲み物などが揃っており、注文にちなんだキャラのセリフをメイドさんが目の前で演じてくれることになっている。何故知っているかというと、前にツヴァイドラゴンと来たから。地の利がある。今日からここを俺の根城とするのだ。前回は「ルフィ」という名の料理を注文したら、ごくごく普通のミートソーススパゲティを運んできたメイドさんに「海賊王に、俺はなる!!」とおもむろに目の前で宣言された。


今回は昼食後でお腹が膨れていたので、カクテルを頼むことにした。「ファーストチルドレン」1杯800円。カクテル1杯の割には提供までなかなか時間がかかった。待つ間、左隣に男が座った。年頃40手前ほど。注文を取りに来たメイドに「5日連続で来ちゃったよ!」とフレンドリーに話しかけていた。平日は仕事帰りに立ち寄っていると信じたい。なぜなら、無職にフレンドリーさで負けたくないからだ。彼は普通の「アイスコーヒー」を注文し、退店まで目を細め、遠くを見ていた。


そうこうしているうちに、「ファーストチルドレン」が運ばれてきた。ソルティドッグだ。グラスの縁に塩がぬってあったから多分そうだ。知ってる。そして"口上"が始まった。


メイド「えー、こちらセリフがセットになってるんですけれども、よろしいでしょうか」
しきぬ「どうぞ。」
メイド「"貴方は死なないわ。私が守るもの"。ありがとうございました。お会計はテーブル制となります。お手元のベルでお呼びください。」
しきぬ「はい。ありがとうございました。」


エヴァンゲリオンに造詣が深いわけでないので、全く糸口が見つからない。「ありがとうございました。」も「…押忍。」ぐらいの意味合いで、稽古つけてもらって恩に着ます、ぐらいの心持ちなのでこんなことではフレンドリーにメイドさんと話せるわけがない。酒が入ってこれなのだから立場がない。どうしようもないので、「セカンドチルドレン」で巻き返しを狙う。


客が増えてきた。前にはおそらく学生グループ。右隣には、超新塾みたいな格好のジジイ2人組が座った。1人は左足にギプス、松葉杖をついており、糖尿病の治り具合を「最近は自力で30m歩けますねん」とメイドさんにレポートしていた。病気というカードを切れるのは強みだ。いつかどこかの臓器を摘出したら、女性とポップに話せる日が来るのかもしれない。


セカンドチルドレンを待っていたら、メイドさん達によるショウが始まった。いついつどこそこのライブハウスでこの曲を披露します、よかったら見に来てくださいねと。タブレットを回し回し完全にカンニングしながら歌っていたが、誰も突っ込んでいる人間はいない。アイスコーヒーの男は遠くを見ている。セカンドチルドレンを持ってきてくれ。


ライブが終わり、トイレに立ち帰ってくると、大学生グループの1人が四つん這いになっており、「涼宮ハルヒを模した何らかの口上」と共にケツを蹴られている。ケツを蹴っているメイドさんは研修中の札を首から下げた、ショートカットで、遠巻きに見ていて一番可愛い娘だった。やるせなかった。店を出ようと尻が浮きかけたが、やっとセカンドチルドレン800円が運ばれてきた。カシスオレンジだった。


メイド「こちらもセリフがセットになってるんですけれども、よろしいでしょうか」
しきぬ「どうぞ。」
メイド「"あんたバカぁ?"ありがとうございました。」
しきぬ「はい。ありがとうございました。」


俺はバカだ。ちゃちいカクテル2杯で1,600円だ。たった2言セリフを賜ったところで割に合わないのだ。えぐりこまんかいメイドの土手っ腹に。今日だけでもアイスコーヒーの無職、学生グループ、糖尿病に負けているのだ。ブログで鬱憤を晴らしている場合じゃないだろう。弾まさんかい会話を。気持ち悪い毒の汁をジーパンの裾から垂れ流しながらでもいい、可愛い女の子とコミュニケーションを取れればいいじゃないか。経験を積め。着実にだ。日本橋では生きていけない。


次はメニューの「涼宮ハルヒ」を注文してみます。
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posted by JET at 01:39| ラスベガス ☁| Comment(0) | 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月20日

またはじめます

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今日からよろしく!!
posted by JET at 12:22| ラスベガス ☁| Comment(0) | 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする