2016年02月08日

メイド喫茶で誕生日を祝われている人間の感情

今日は彼女にフラれてショックで、最寄りの2駅手前でかなり脳が嫌になって電話を入れて会社を休んでしまった。周りの人間がやったらメチャクチャ叩くけど、自分がやるぶんには当然許されてしかる権利を強く主張します。畳の上で包丁を刺してじっとしているのに飽きたのでブログ更新します。


昨日友人のツヴァイドラゴンと日本橋に遊びに行きました。ちなみにツヴァイドラゴンは30才男性の職業・デビルです。「ツヴァイ」で「ドラゴン」で「デビル」の成人男性がこの世に存在するなんて頭がおかしいのではないか、と思われるでしょうがそうなのだから仕方がないので掘り下げないでおきます。で、何しようかってなって、メイド喫茶に遊びに行きました。


あんまりいまだに楽しみ方もわかってないんですけど、とりあえず飲み物ちびちび飲みながらだべって、たまにお冷を注ぎに来てくれたメイドにしゃべりかけ、「その猫のポシェット可愛いすね(笑)」「メイドさん厚切りジェイソンってオモロいと思います?(笑)」などとパンチを打てど放てどカウンターでボディをもらってお腹を抑えながらイスにもたれる、という繰り返しで、もうむしろ逆にそれを楽しみにメイド喫茶行くまでの域に達しつつある。しかし周りを見渡すと、服装や髪型やまゆ毛や声帯の震わせ方や腹式呼吸にいっさい興味のない、屍にチェックのシャツを羽織らせジーパンを履かせただけの生き物が、わりと楽しそうに、我々よりは明らかに朗らかにメイドさんや周囲の人間とトークを繰り広げている。確かにメイド喫茶は、たんなる喫茶店から比べたらそりゃ割高だけど、席代取らないとこは取らないし、1000円弱も支払えばそこそこかわいい女の子に対して、お客様というだけで上の立場に立てるし、キャバクラなんかよりはぜんぜん安上がりに女の子と合法に喋ることができる。屍のくせにかしこいな。


そこでカッコつけて多少なりとも整えてから臨めば彼女できる可能性だってあるのに、それをしない人間の感情があまり理解できない。で、この日一番異彩を放っていたのが、自分のハンドルネームの描かれたトレーナーを着た、40半ばぐらいの小太りの男性、ジャイアンの元ネタか?みたいな男なんですけど、店内にいきなりハッピーバースデーが流れてきたかと思えば、ケーキを運ばれ、店中のメイドに囲まれ祝われだしました。居酒屋とかレストランで、たまにそういう演出に巻き込まれて、テロで死ぬ時もこんな唐突なんだろうな、って落ち込む時ありますけど、大概誕生日の主は友人、家族など複数名で来てるパターンがほとんど。しかし目の前では、単独のおじさんが謎に大量の女たちから祝われている。「ハッピバースデー、ディア○○」の○○には、服に書いてあるハンドルネームが入る。今思ったんですけど、そこで歌詞が詰まらないようにメイドの中の1人がファインプレーで切り抜けたのかもしれない、と推測すると面白くなってきた。


ハッピバースデーが流れ終わった後は、メイドとチェキを撮影し、また席についてただただ佇んでいました。これはいったいどういう感情??40代になり、他に自らの誕生日を過ごしてくれるような恋人、友人、家族が居ない、じゃあメイドカフェで俺のハンドルネームを、架空の自分を祝ってもらおう、という風になる気がしないし、そもそもそんな年頃になったら一個年齢が増える日に対する感慨ってあるんだろうか?その「感慨」というマテリアだけ己にあって、ほかの人生、生きていれば備わっていくであろうものが止まっているって腑に落ちない。自分がどう観られているかの視点が消え去ってしまっている。FPSですよ。


一個結論をひねり出したのが、どんどんソリッドに、余計なものをそぎ落としていくとそうなるのかな。余分な贅肉を削ぎ落とす。F1マシンみたいな。ジョブズの発想。機能美という。体型がだらしないのは、シャープじゃなくても「最低限生きていく」ことは可能だから。そうなると日本橋にジョブズがわらわら沸いてることになる。電気街ってそういうことか。俺も20年後「スティーブ・ジョブズ」と書かれたトレーナーを着てメイドにハッピバースデー歌われてる日が来るかもしれない。30になるデビルもいるし。可能性は無限大ですよ。
posted by しきぬ ふみょへ at 21:08| 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月07日

コメディー

俺は今年で26歳になり、24歳まで童貞だったんですけど、24歳から本腰(本腰?)を入れて、彼女を3人つくりました。そもそもなぜ彼女がどうしても欲しかったかというと、友達いなかったので本だの映画だのアニメだのゲームだのに逃げるわけですが、どのメディアでもだいたい男女の人間関係というものがいろいろな描かれ方をしており、「でもそんなの知らね〜〜〜、やったことねー」と感じていた。どういう気持ちでこいつらくっついてるんだと思ってたし、それを「知らね〜〜〜」で豚ばりに目から耳からエサだけを与えられているのは嫌だったので、そんなら一片どんな感情になるんだろうと袖をまくって女の人と付き合ってみた。付き合ってみた、とか驕り高ぶってる書き方してますけど、明日死んでるかもしれないからチャラですよ。


はじめに出来た彼女は3週間でフラれました。嬉しすぎて毎日でかい声で騒いでたのが気持ち悪くてフラれました。そこで自分は、「毎日でかい声で幸せだと叫ぶことはよくない」と言うことを肌で学びました。うまくいかねーなー、って言うので、次に付き合った女の子は手首にズタズタに傷があって、あんまり気が合わなくて3ヶ月くらいで別れました。手首に自分で傷をつけるとかなり痛いと思うんですけど、そこの部分をあえて手首に傷をつける行為をしているのが理解できませんでした。それでも、別れるのは嫌で、最後に牛タンを食べられるお店でメチャクチャ別れたくない旨を伝えた覚えがあります。牛の舌に自分の気持を乗せるんじゃないよ。


で、3人目にフラれました。これはマジで理由がわからないです。普通に生きていたらある日突然フラれました。通り魔です。当日の晩、自転車こいでるきちがいが俺を追い抜きざまにでかい声で「平井堅/瞳を閉じて」を歌うという出来事があり、あれはある種予兆だったのかもしれません。小声で「死ね…」とつぶやいて対抗してやりましたけど。肩入ってないパンチを世間に打ち続けているな。


疲れたとか、自分のキャパが足りないとか言われました。なるほど、としか思えないし、生きているだけで自分が愛している女を疲れさせるんかい、もうええわ、どうもありがとうございましたという気分です。自分の両親にも挨拶させているのに。おもろ。これを読んでいる人も彼氏彼女、伴侶が居るかもしれないですが決して他人事とあしらわないほうがいいですよ、あなたも明日ビンタされますから。明日コーヒーに毒入ってますから。吐いてる呼吸が臭いから。内臓がおかしいから貴方は嫌われるんだ。


ここからコメディーなんですが、今週末金沢に温泉旅館を予約してるんですよ。2泊3日でもう宿も押さえてるんですよ。カニとかアワビとか出てくるんですよ。4万ですよ4万。どうするんだよ。かなりウケますが、この状況かなりウケる価値観共有できる女の子ってことかな?だからフラれたのかな?だんだん腑に落ちてきたな。俺は今一番面白い死に様は「狙撃で死ぬ」だと思ってるんで、この記事を更新するワンクリックの瞬間に何者かからのスナイプで死にたいな。窓を開けるか…

posted by しきぬ ふみょへ at 11:25| 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月06日

悪口の表面張力・武道館

朝井リョウさん原作『武道館』という、非・実在のアイドルグループをモチーフにした小説が、我々が存在しているでおなじみの この世 に実在しているアイドルグループJuice=Juiceが主演する同名ドラマの原作になりました。アイドル好き、を公言している人間の文章に、実在するアイドルが携わっています。手放しでワッハッハ、ドラマ楽しみ〜〜〜!と感じる人間が居たらばわかりあえる気がしません。どうなってるんだ?なぜでしょうか。


人間はそれぞれ己の"生活"を抱えており、夜は眠り、朝に目覚めるのをひとつのリズムとしましょう。日々に疲れれば疲れるほどに眠りは浅くなり、ということは夢をつい見てしまうわけです。そんな折、自分のあこがれや、癒やしとなる存在が手を差し伸べてくれる、映像の幻のやつとして上映されることだってありますよね。その一瞬は幸福感的なものに満ち溢れますが、目が覚めてしまったが最後に抱くやりきれなさ、むなしさたるや。今の、本当じゃないんかい、もうええわ、という。小学生で卒業すべきやつがバンバン覆いかぶさってくる。


しかし、夢は夢、幻想は幻想として割り切って日々を過ごしているところに、我々の(私の)妄想を"リアル"としてリアルエキスを吸い取りまくっている人間がいるんです。それが朝井リョウ先生。自分が考えた筋書き通りに、おんなじ次元の女の子が縫って動くわけですよ。は?????????????

なお、なおかつうらしましさを自分なりに受け止め、その感情が奥まっていくと、「悔しいと感じること」こそが悔しい、という抜け出せないぬかるみにハマってしまう。それは俺自身の性格の欠陥でしょうが、共感できないとすれば救いようが無い…どなたか!!


しかもより終わっているのが、私は「武道館」を読んだことがありません。要はこの記事は単なる愚痴です。メチャクチャ面白かったらどうしよう、という不安がデカすぎて、お酒を飲むくらいしかやり過ごす方法がないんだよな。まったく。女の子たちと焼肉とか一緒に食べたら俺のほうが絶対楽しませられる自信あります。一噛み一噛みの脂の旨味を朝井リョウは知らないから。知らないはず、と決めつけなきゃやってられないから。馬鹿が。終わりです!!死ねや!!!!!!

posted by しきぬ ふみょへ at 00:07| 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月21日

ウクレレ



あなた達は今日、どういった目的でここに来ましたか。誰に誘われましたか。家族でしょうか、友人でしょうか、よもや単身で乗り込んで くるような肝の座った人間がいるとは思えませんが(笑) のんべんだらりと何の気なしに、区のホールくんだりまでご苦労さんでございます。商売道具をこうして、舞台に放り投げて、腕組んで喋っているわけですけれ ども。面食らうんじゃないよ、私の根っからのファンだって多少は来てくれてたはずだと期待してるんですけれども。ちょっと挙手していただいていいですか? 私のことを目的に足を運んだ、という方。


いや1人も居ないんですか!!(笑)全杉並区民収容できるサイズのホール でしょう(笑)と、言うわけでですよ。コラコラ、お婆ちゃん!視界ちゃんと収まってますから。眠らないでください!まだ私が舞台に上がってからものの数分 と経ってないんですから。そんな速攻で安眠体勢に入らないでくださいね〜(笑)


とでも言うと思いましたか。本当に 頭にくるんですよ。本当に頭にきているんです。びっくりしましたか。私とてプロです。この商売でおまんまをいただいてきているのです。集まっていただいた 皆様の笑顔がなによりの活力源なのです。しかしだ。しかしですよ。私とてプロフェッショナルだと自負してはおりますが、あなたがたとて、みなさんとて、何 らかのプロフェッショナルとして、生計を立てていらっしゃるのではないのでしょうか?わざわざこういった区のホール、あなた方の血税でこしらえられた建物 にヒゲ面こしらえて座っていらっしゃる意図をプラスとして、まじりっけのない純粋なプラスとして捉えるならば、私は今現在提供できるマックスの芸を提供し たい。バチバチとやり合いたいのだ。私は今、この、伝統と趣ある笑点という舞台をメチャクチャにします。テレビ局の下座に座っている人間から怒られたり、 叱られたり、怒られたりするだろうけれども、とりあえずそれはそれとして、這い上がれるような気がしてるんだ。根拠ゼロでこうして公衆の門前に突っ立って られるね、こんな調子で生きていられる人間も存在するわけですから。オラお前ら。心してみろよ。聴けよ。俺はプロフェッショナルなんだからな。媚びる気は さらさらございません。どうぞ最後までご堪能くださいね。


ぱたん、と舞台の上に寝かされたままだったウクレレを拾 い起こし、まるで炭酸が完全に抜けた500のCCレモンのような佇まい。懸命に稽古を続けていたけれど、それをあからさまにひけらかすような真似をしては ならない。ピエロは自分をピエロとバラしてはならないのだ。これは俺が思いついたフレーズではない。


ブロードウェ イで一回やってみたいな。それかラスベガスあたりで。こういう日本人の年寄り笑わせるような温度のおもしろと、外人笑わせるようなおもしろはほとんど同じ ようなもんだからな。意識がアメリカにある状態で、杉並区でウクレレを引きながら、嫁さんを卑下している。嫁さんに申し訳ないという感情は無論ある。外れ たアロハのボタンを縫い付けてくれた時に、こいつを放してはいけないと思った、太り散らかした体を見て、そのほうがそれっぽいじゃん、っつってくれた。さ すがにここまで甘やかされちゃよ、と買ったジョギング用のスニーカーは1度しか履いていない。




舞台袖から出てきた小遊三「ブツブツブツブツ何言ってるかわかんねえんだよ!!!!!!!!!!死ね!!!!!!!!!!!!」


芸能界とつながっているヤクザ「(懐から銃を取り出して)パンパンパンパンパン!!!!!!!」


おしまい
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posted by しきぬ ふみょへ at 02:13| ラスベガス ☀| Comment(0) | 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月22日

架空まお

「今日はよろしくお願いします。いやほんと週末に限って寒いですよね。家出るのも億劫だったんじゃないかって思いますけども(笑)」

浅田真央選手「はい、よろしくお願いします。」

「実際でも、ご存知でした?僕のことって」

浅田「正直、知りませんでしたごめんなさい!今日本当に初めましてで。」

「ですよね(笑)一方的にこちらとしては、テレビで応援してる側なので。真央"ちゃん"なんて呼び方してますけども、同い年なんですよ。90年…」

浅田「えっ、そうだったんですか?ごめんなさい何にも知らなくて。」

「同じ月日を生きてきて、そちらは引退してから復帰までされてるわけですからね。想像するのもはばかられる世界ですよ。僕は大学出て、淡々とサラリーマンやってるんですけど。全然まだまだペーペーですし、一日一日語れるような出来事もないですし、ただ単純に話さえさせてもらえたらかなりありがたいっていう(笑)」

浅田「いや私こそ、毎日毎日学ぶべきことが多すぎて。えっ今おいくつなんですか?」

「ってさっきそのくだりあったばっかり(笑)僕への興味(笑)」

浅田「すみませんでした。」

「頭下げないでくださいよ!道歩けないですよ僕。抹殺されちゃいますよ僕(笑)」

浅田「抹殺?」

「ファンの方とかから。」

浅田「?」

「何も言ってないです。いきなりですが月並みな質問なんですけど、もしフィギュアスケートをやっていなかったとしたら、どんな職業に就いていたと思いますか?やっぱりスポーツ関係なのか、それとも全く別の分野なのか。」

浅田「うーん、考えたこともなかったです。自分がいちばん輝ける場所に立てていると思いますし。今のことで精一杯すぎて、他の可能性を考える余裕なんかありません。」

「そうですよね。復帰までされてるわけですしね。誇りをお持ちですから。僕が一回でも仕事引退なんかした日には、帰ってくる気なんかさらさらありませんもん(笑)」

浅田「はい。」

「お姉さんのことどう思ってらっしゃいます?」

浅田「え?姉ですか?」

「舞さん。バラエティなんかで、妹の才能に嫉妬してグレちゃった、みたいな話を披露してる場面も結構ちらほら見ますけど。妹の立場からしたらどう考えてるのかなーと気になったので。僕からなんかしたら、それこそ妹のネームバリューにすがって露出してるようにしか映らないんですよ。容姿的に際立って優れてるってほどでもないですし、利用できるもんは利用しておけっていう魂胆が滲み出てませんか?今のうちに稼ぐだけ稼いでおこうみたいな。ぶっちゃけラクしてませんか?お姉さん。」

浅田「たくさん言われ慣れてきましたよ。そんなことは。」

「あ、はい。」

浅田「用意してきたんじゃないですか?今の質問。」

「いやまあ、ある程度はシミュレーションしてきてますけども…」

浅田「"こんな一般人の僕が少々切り込んだ質問を用意してきたことで、一目置かれよう”って下心があったんじゃないですか?ヘラヘラ笑って。あなたのことなんかこれっぽっちも知りませんけど、トモダチの装いだけ適当につくろったって仲良くなれませんよ。第一、舞は、舞さんは、実際血が繋がっていないんです。」

「あっ、えっ!?そうな、あっ、えっ!?」

浅田「全部ショーですから。貴方の知らないところで、貴方の知らないたくさんの人間が関わってるんですよ。だから、ちょっとテレビで見たぐらいで、こっちの心境まで察されちゃ、たまったものではないんですよ。人にはそれぞれ事情があるんです。」

「人にはそれぞれ事情がある。それ僕もずっと働きながら考えてます。」

浅田「食らいつかないでください。」


冷たい現実がさながら銀盤の上に横たわっている。
我々の人生は"フィギュア"の様に操られているに過ぎないのだ。

ありがとうございました。
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posted by しきぬ ふみょへ at 02:06| ラスベガス ☀| Comment(0) | 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月12日

7/27-8/2 日記

7/27 月

よく晴れ、夏にしてはさほどジメジメせず気持ちいい朝だったので、会社をサボってしまった。果たして、ズル休みすると案外その日の過ごし方に困るのは、学生時代から何も成長していない。とりあえず、掃除と洗濯を済ませ、日本橋へ繰り出した。大阪へ引っ越してから結構な頻度で日本橋へと遊びに行く。なんでかというと、見た目どうしようもないオタクばかりが集まるので、社会的な地位として自分が上だと実感することができるから。オタク街、片手に発泡酒、無敵になったような気分だ。電気屋でスーパーファミコンのコントローラーを買い、家に帰ってドラクエをやっていた。



7/28 火

最悪なことに、出勤をしなければならなくなった。「電話代の削減」を上司に迫られる。いったいどこの世界に、会社の電話代を削ることに尽力できる人間が存在すると言うんだ。とにかくその場は頭を下げて取り繕ったが、特にプランがあるわけではない。「なるべく電話で喋るな」という通達を出せばいいんじゃないか。下らないことを考えていたら終業のチャイムが鳴った。晩飯は王将で餃子定食。




7/29 水

出勤。だいたい寮に暮らしてて片道1時間半は頭がおかしいんじゃないのか。今日も今日とて部長がブチ切れていた。自分宛てで届いたFAXに誰も気が付かず、放置されていたことが気に食わなかったらしい。そんなハイパー下らない理由で上の人間が大声を張り上げることでどれだけフロアの士気が下がるか、頭がまわらない時点でこいつの50数年の人生を否定したくなる。たくさん仕事は残っていたが萎えてしまったので帰宅。晩飯は鳥貴族で一杯やった。



7/30 木

出勤。社用車のガソリンを入れに出かけたのだが、帰りの車庫入れでミスって駐車場の柱に擦ってしまった。上司に報告すると、クルマの運転が苦手な奴は人間として劣っている、さっさと上達しろと。大体ワンミスで人が死ぬ鉄の箱を軽々操って平然としているほうが神経おかしいに決まってるんだ。第一お前免許持ってないだろ。と、いうような感情は微塵も感じさせないお釈迦様のような表情でデスクへ戻り、始末書を書いた。




7/31 金

出勤。地下の駐車場に、勝手に皆が投げて放置され積もり積もったありとあらゆるゴミをいい加減に処分しろ、と上司より命令が入る。「お前はこのゴミの山を見て、何も感じないのか」と聞かれ適当に返事をしたが正直本当に何も感じない。同じ部署の定年間近の竹井さんはゴミを放置したまま逃げ切ろうとしているし、俺はこんなもん処分するために会社入ったんじゃないし。永遠に片付くことはないと思われる。



8/1

休み。休みの過ごし方として、いつもどおり、平日と同じ時間にあえて起床し、金曜にレンタルした映画を1本見終えてもまだ10時を回っていない、その瞬間の幸福を味わう、というのにハマっている。自分は休日の天才ではないか、という気分になる。

午後は買い物に出かけた。お盆、東京にいる彼女を地元の新潟に連れて行くとだいぶ前に決まっていたので、その時に何かプレゼントでも渡そうかと閃いたからだ。梅田の阪急3番街でプレゼントを物色し、彼女の好きなキャラクターをあしらった可愛らしいポーチを購入した。喜んでくれるといいな。そして改めて一刻も早く、関西を離れて東京で過ごしたい、働きたいと感じた。



8/2

休み。休みの日の昼食に迷う。最近肥えてきたのであまりカロリーの高い食い物は控えたいが、休みだからとハメを外して昼間から美味いもの飲んで食ってしたい気持ちがかなりたかぶってしまう。そういえば、ついこないだ嫌いな先輩から「そういえば、去年からだいぶ太ったな」というご忠告を頂いたが、テメェのようにストレス感じない奴はおめでたくていいな。仕事無えのに偉そうな口叩くな。労働している間イライラしない人間なんておかしいんだ。

ただ俺にやる気はない。昨日の俺よ、俺にパワーをくれ。彼女を幸せにしたい、という気持ちを呼び起こさせてくれ。やる気って24時間持たないものなのかよ。自分にがっかりしてしまった。EDかもしれない。心が。

明日も仕事だ。

posted by しきぬ ふみょへ at 23:22| ラスベガス ☁| Comment(0) | 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月27日

ロマンとハンマー

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結婚指輪を鍛え直して欲しい、という仕事があった。50代ぐらいだと思う。妙齢というやつだろうきっと。いわゆる、ブルジョア、のような、ふっかけてくるような厚かましい感じではなかった。ビロードのハコに入った指輪。ポン、と渡された。町の一角にあるこんなすすまみれ、油まみれの作業場、うだるような暑っちさの中、握らされたそれは、しっかりと覆った手のひらの中で、宙に浮かんでいるような、不安な感じがした。


あのー、これを私がどうしたらよろしいんで…?


「なるべく、これを贈ってもらった当時の形に戻してもらうわけにはいかないでしょうか。この指輪が手元に届いた当時は、もっとしっくりと、私の左手の薬指に嵌ったような心持ちがするのです。でもなぜだか、近頃はぐっと押し込まないと、落ち着かないのです。身につけている間、気持ちまで圧迫されてしまうのです。どうか腕の立つ職人さんの技術で、違和感を取り払ってはもらえませんか?お代は言い値で結構ですので。どうか宜しくお願い致します。」


むずい。こんなにむずい案件は初めて。カッコつけて案件とか言ってみたけども。というか、ご婦人方の肌にじかに触るような、アクセサリーというものをハンマーでどついていいものかね。鍋やら釜やら、そういったもんを均一に慣らしていくのはやったことある、やったことある。というかそれで飯を食べてるので、工業高校出て即ハンマーを振り回しているのである程度自負はある。しかし。


銅板の手持ち鍋、が雑然と並べられている現場に、不相応にも程があるハコが鎮座 ましましている。どうなっていやがる、何でこんな仕事を引き受けてしまったんだろう、という後ろめたさが頭をよぎる。が、なにかこんなイレギュラーな仕事を引き受けたことで始まっていくドラマがあったら面白いんじゃねえか。俗物根性。すすまみれ、油まみれのこんなところにまで運命の糸が張り巡らされるとはな。なんちゃってな、ガハハ、とタバコを買って帰ってきた後輩にラリアット、プロレスとは偉大なコミュニケーションである。


待てよ?


俺みたいな無骨一辺倒の人間のもとに、指輪をもとに戻して欲しい、なんて、ステキな願いを持ってきていただける時点で、なにかウラがあるんではなかろうか。と踏んだ。あっけにとられ、具体的な条件は何一つ聞けていない。仕上がりのイメージについて、おそらく奥様は、なにか定まっているのかもしれない。いや、おそらく、言葉にできていないというだけであって、定まっているだろう。そこにドンピシャで、何も聞かずにそしらぬ顔で、合わせていく。それこそが職人じゃないか。俺が工業高校時代から、工業高校卓球部時代から、何かしら培ってきたものをぶちかますチャンスだ。毎日、鍋を叩いているうちに、俺の中で何かが芽生えているはずなのだ。


ひょい、と。下手投げで。


預かったハコごと、火にくべてみたりして。



リセットなんです。いわば。「もういちど、ここから夫婦生活、やり直してみませんか?」ということなのです。溶けた指輪は、卵焼き用の金型にしてみました。銅製なので、熱伝導がハンパじゃないんす、テリー伊藤さんの弟さんとこにも卸してたりするんす。築地の。知ってます?


そういうことじゃなかった、らしい、今から思えばそうだ。奥様は、たいそう憤慨してらした。たいそう憤慨してらしたどころの騒ぎじゃないよ。何やらステキな着地点を求めていたらしいが。キレたツラはブサイクだった。つまみになる。


今回の行動は、賭けだったのであくまで、後悔していないが、だましだまし、俺みたいな人間にも、ステキに振る舞えるチャンスが巡ってくるんじゃん、と、実感のようなものを握りしめてしまった。へっへ、次があるね。


ハンマーで鍋を均一に伸ばしている。

posted by しきぬ ふみょへ at 22:35| ラスベガス ☀| Comment(0) | 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月10日

玉ねぎ

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夏。



玉ねぎを炒めているんです。これですね、飴色になるまで炒めるんですよ。ただひたすら。フライパンの上でね。ただひたすら。なんでかと言われればですね。美味しいカレーを。美味しいカレーライスを作るためなんですよ。これ。ペースト状になるまで。玉ねぎに含まれております水分が。完全に飛ぶまでね。時間と根気がいるんです。妥協したら全部台無し。1コのことがなあなあになっちゃっただけで。取り返しつかないから。後から悔やんだって遅いので。完璧主義というかね。この木のしゃもじも。かっぱ橋で。昨日。なんでも揃うんですよ。業務用のやつ。業務用のほら。大量に揚げられる。大量に同時に揚げられるやつとかね。いつかは家にね。ドンと置いてみたいもんなんですけど。


話がそれましたね。まだですよ。まだ炒めないと。五感でやるんです。見た目だけじゃなくて。色合いだけじゃなくて。音が変わってくるんですね。きめ細やかになるんですよ。うっとりしちゃうんですね。耳を澄ませてみてください。


うるせえぞこの野郎!!!!!!!!!!!!!!何時だと思ってんだ!!!!!!!!!!!!!!!!


すみません。向かいが小学校なんですよ。まったく。こっちは朝飯作ってんですから。だからガキは困るんですよね。テメェのことしか考えてないの。私はあらゆる可能性を想定してましたね。昔からね。いい加減にして欲しいですね。ちょっと待てよ。そろそろタイミング。そろそろいい頃合いに。いい塩梅になって参りましたよ。汗が止まらないな。クーラー壊れてるんですよ。フィルター詰まってて。掃除したらなんとでもなるんですけどきっと。暑かったら暑かったでね。風流じゃないですか。キカイの力でねじ曲げたくないですよね。「風の」「流れ」と書きますからね。そういったところから来てるんじゃないでしょうか。知りませんけど。


結局。時間と根気が必要なんですね。同じことを言うくせがあるんです。わかっちゃいるんですけど。間が持たないから。玉ねぎ炒めてるんでしたね。



さてさて。こんなもんかな、と思うでしょ。こんなもんかな。と思い出す頃かな。というのは、私も感づいております。だてに生きてないですから。推し量りますよ。推し量りますよ〜?人の気持ちを。実際のところ。私もわからないのです。玉ねぎを 飴色になるまで 炒める という行為を 実行する 自分に 惚れてしまっている 部分が あるのです。へっへ。なんですかね。格好いいじゃないですか?「妥協しない」「徹している」自分。

私はですね。私のこだわりを、私が享受している時に、生きていると感じるのです。



仕事ですか?
posted by しきぬ ふみょへ at 01:17| ラスベガス ☀| Comment(0) | 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月13日

少女の墓を掘る

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鍛えたことなどまるでないであろう、節くれだった両腕を振るっている初老の男。人気のない深夜の墓地に、ザク、ザクという音がする。


男の周辺にうず高く積もった土。時おり、七色に光るペンライトで手元を照らしつつ、丸まった背中でハァハァと息をしながら一心不乱に、スコップで地面の一箇所を掘り返していた。彼が今、その手に抱き寄せようとしている対象が、絶対に彼の手に届かなかったあの頃。ステージで踊っていた彼女。群衆を押しのけ、舞台の下で踊り狂った。俺に気づいてくれ。右、左、左 からの 左、左、右と規則正しく律動する腕。あの頃の輝きを思い出している。積もる土。武道館のスポットライトを思い出させるような満月の下、彼はスコップを振るい続けた。


男の愛した少女は、世間がのちに全盛期と称した、街の至る所、ありとあらゆるメディアで見かけない日は無いと言っても過言ではなかったそんな最中、自ら短すぎた命を絶った。あまりにも唐突な死だった。この世に闇が差した。至った経緯について、実に様々な憶測が飛び交った。我こそは識者だ、彼女の心情は手に取るように判る。手に取るように判るブヒ。ある者はスマートに、ある物は泥臭く。真実は闇の中、しかし、彼らの思案する所には、たった唯一の共通項があった。「俺のほうが正しい」と。


墓を掘る男を突き動かす、不毛な議論に終止符を打つ考え。
「お近づきさえ出来れば、全て解決するはずですよ」と。


ザク、ザクとひたすらに地面を掘り続けた。俺だけが理解できる、俺だけが彼女を独り占めに出来る。その衝動に突き動かされながら。バキバキに勃起をしながら地面を掘り進める。下層へ、さらに下層へと。明日も休みだから。


翌朝。力尽きた男の亡骸がそこにはあった。男が張り上げた声、財産らしきものは、誰の脳裏にも傷跡を残すことはなかった。
少女の歌声はいつまでも響き渡る。
片方の魂は空へ空へと登り、もう片方は底へ底へと沈んでいった。
posted by しきぬ ふみょへ at 01:36| ラスベガス ☁| Comment(0) | 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月15日

服部栄養専門学校 最後の日

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「服部です。ご卒業、おめでとうございます。ここにいる卒業生の皆様は、服部を出た人間の、服部の血を受け継いだ人間として、レストランで、割烹で、中華料理でと、様々な趣向を凝らした"味"をですね、これからは提供する側として。腕を振るっていくことになるでしょう。私からは教えられることは、全て教えたつもりでございます。しかしですね、実際に、お客様にお出しする料理というものは、決して学校で得た知識のみから出来上がるものではない。あなたが実際に厨房に立ち、聞こえてきた声に耳を傾けて下さい。そこに、あなたが作るべき料理のヒントが眠っているはずです。楽な道ではないでしょうが、艱難辛苦を乗り越えて、いつか私が、いちお客として、皆様が構えられたお店で、舌鼓を打てる日が来るのを願うばかりでございます。簡単ではありますが、卒業の祝辞と代えさせていただきます。ご清聴、ありがとうございました。」


パチパチ…パチ…


壇上で深々と頭を下げる、服部栄養専門学校校長・服部幸應。しかし、エールを送られた当の卒業生は、剃りこみの入った丸坊主、なぜかスポーツ仕様のサングラスに、上下グレーのスウェット、ハロー・キティの健康サンダルと、まるで深夜2時のドン・キホーテで連れの女と食糧を物色しているかのような男がたった1人のみ。気だるそうに手を叩いている。



「えー、続きまして、"服部流割烹免許"授与式に移ります。卒業生、前へ」


司会の案内があり、スウェットの男が、ポケットに手を突っ込みながら壇上へ向かった。服部に対し、サングラスの奥から突き刺すような目線を送っている。小ぶりな服部が、いつもより余計に小ぶりな服部に見える。

「卒業、おめでとう」

どことなく震えた手で証書を渡そうとしたその瞬間、男が服部の手を跳ね除けた。静まり返る式場。窓の外を通る、求人VANILLAの広告トラックの宣伝テープが、服部の耳底で重く響いていた。あらゆる暴力に弱いんだよ俺は!服部は今にも泣き出しそうな、血の気の引いた顔色で立ち尽くしていた。


男が口を開いた。


「服部さんよ。俺はな、親父の店継ぐ為に、高校辞めて、近所だったこの学校入ったわけよ。俺頭悪ぃしな。手に職つけて、オンナもガキもよ、食わせていかなきゃと思ったわけな。なあ服部、でもよ。アンタ、店、持ったこと無いらしいじゃんか。現場で働いたって経験も無えってことだよな。なんなんだよ。さっきつらつら喋ってたのはよ。納得行かねぇ。俺は"リアル"をよ、体に叩き込んでる奴の言うことしか聞く気になれないんだわ。血が通ってねぇんだな。お前の言ってる内容は。厨房から、お客さんの声、聞いてんのか?なぁ。テレビ出てタレントの作ってる飯に偉そうな講釈たれてる場合か?俺はお前から受け取る免許なんか欲しくないね。親父の店はそんなに軽いもんじゃないから。」



黒いマオカラースーツの胸ぐらを掴まれ、今にも床に押し倒しそうにされている服部。俺の立ち位置のお得さに、世間が気づきやがったらしい。年々入学者は減り、今年は結局この小汚い不良しか居ないじゃないか。辞めてやる。結局食いもんなんてのはな、イスに縛り付けられて口まで運んでもらえば消えてなくなるんだよ。豚として生きてやる。もう嘘をつくのはごめんだね。あんな重たいフライパンなんか振ってる奴が馬鹿らしい。トーストにマヨネーズ塗って食お。深夜に。



服部栄養専門学校は、その年かぎりで閉校となった。学校跡地は風俗店に姿を変え、その斜向かい、明け方まで営業している大衆食堂で、ハローキティのサンダルを履いた店主のフライパンは、水商売を明けた人間の胃袋を満たしている。
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2015年04月13日

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象を飼っているクラスメイトがいた。小学校の頃の話だ。父親が仕事の付き合いで譲り受けた仔象が、みるみるうちに大きくなったそうだ。父親の職業が何だったのだろう、当時は問いただすことはなかった。住んでいる家はごくごく普通の日本家屋だった。ある日彼の家の横を通ると、2階の屋根からリンゴを象の鼻に投げ渡していたのを思い出す。土方の先輩が缶コーヒーを新入りに投げ渡すかのように、見事なノールックだった。生まれた頃から、常に象が隣にいる生活。自分にとっての非日常を当たり前としている、それだけで妙にオトナに見えてしまった。


学校に遅刻しそうな朝、登校の道すがら、背中から彼が声をかけてきた。普通に小走りだった。「象に乗ってくればいいじゃん、絶対早いのに。」と冗談交じりに話しかけると、彼は「象に乗ったりなんかしたら、先生に怒られるだろ。第一、普通に歩いてる人たちに迷惑がかかるし。」と言った。"象"という存在が当たり前すぎて、ウケにすら使おうとしない姿勢。当時はお前、象飼ってるんだぞお前、と思っていたけれど、今となったら腑に落ちる。


とある土曜、彼の家の横を通ると、巨大な影がなくなっていた。


膨大なエサ代を、払いきれなくなったのが原因で手放すことになったらしいと、親づての噂で聞いた。日頃接しているうちでは、そんな予感も、そぶりもなかった。きっと彼は悲しいはずだ。当たり前の存在が、傍らから消えるのだから。象が居る生活から、象が居ない生活への、喪失感たるや。想像するだに、物理的心理的に計り知れないものがある。想像するだに。しかし、しかし何より辛いのは、彼が"象を飼っている"という浮き出たアドバンテージ以外に、何ら特筆すべき点がない少年だったことだ。九九を逆から言うのに苦戦してたな確か。象飼ってるのに。


彼の周りからそれ以来、急速に人が消えていったのを覚えている。正直に、子供の頃の心境のまま吐露すると、爽快だった。あくまで"象の手柄""象人気"だったことがついにバレた!胸がせいせいしちゃうね、と思ってしまった。彼に感じたオトナを忘れていた。自分の世界まで引きずり落とした、かのような腕力を感じていた。ランドセルを背負い、今までと同じように、遅刻寸前の時間帯に背中を追い抜かれる生活が、変わりなく始まった。象を飼っている彼から、象を飼っていない彼に、後ろから追い抜かれる日々の始まりだった。


象の脇腹をニューバランスのスニーカーの踵で思い切り蹴ると、どんなに暴れてても一瞬で止まるらしい。いやいやニューバランスだけかよ。そこはそんなに関係のないとこだろ、バーカ!と頭を叩いたのは、成人式の同窓会での出来事だった。
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2015年04月08日

朝井リョウ氏に勝つ

朝井リョウ氏。1989年生まれ。1990年生まれの俺と1つしか違わない。代表作であり、映画化もした『桐島、部活やめるってよ』を発表したのが2009年で20歳。俺がハタチの時はというと、人生初めて頭の毛を茶髪に染め、気になっていた女の子を人生初めて遊びに誘ったら「春休みはバイトが入っているから…」と大学の2ヶ月間まるまるバイトが入っている体(てい)で振られた、のにもかかわらず、後日俺の先輩とバリバリにセックスしてた事実を知って爆笑した年である。嫉妬1。


朝井リョウ氏は就職活動を作家稼業と並行して進め、現状、文章でお金をもらい、サラリーマンとしてもお金をもらっている。ダブルでお金をもらっている。一方、サラリーマンとしてしかお金をもらっていない。俺は。嫉妬2。


そんな朝井リョウ氏が、今春からオールナイトニッポンのパーソナリティとして就任した。心境を述べたコメントを抜粋する。


"「許してくださいという気持ちです。面白い話ができるわけでも名前に引きがあるわけでもなく、ただ『ラジオを聴くのが好き』という人間にこんな枠を預けるなんてニッポン放送はどうしたんでしょうか」と戸惑い気味。一方で「自分が好きだったさまざまな番組のエッセンスを詰め込み、それを オリジナリティーと言い張りたいと思います。よろしくお願い致します!」"


"面白い話ができるわけでも名前に引きがあるわけでもなく、ただ『ラジオを聴くのが好き』"というのは俺も完全に一緒だよこの野郎。ニッポン放送は俺との2択だったのかもしれない。中学の時から深夜成長ホルモンを削りながらラジオを聴いて、結局そこで身長が止まって今となっては飯田圭織と同じ背丈166cmです。対し朝井リョウ氏は、


"私は身長が173なので、股下と同じくらいということはつまり麩菓子は98センチくらいということになりますね” (2012/6/7のTwitterより)


嫌だーーーーーーーーーーーーー。嫉妬3。しかし、ラジオ=深夜、というバイアスが童貞思考でかかっているだけであってラジオ放送というものは24時間やっています。おそらく朝井リョウ氏は青春時代、生島ヒロシのおはよう一直線あたりを聴いてから家を出ていたんだと思う。ダセェな。嫉妬−1。あと麩菓子のくだりはよくわかりません。


俺がこうだったらいいのにな、楽しそうだな、のレバーを全部正しい方向に倒して、2択、2択のトロッコを爆走させている朝井リョウ。俺は、文章を書いて世に出そうと実際に行動を起こしたことはないし、嫉妬するだけの理由付けすらもままなっていないのだけれど、実際この燃え上がるやるせない炎を喩える表現がすなわち"嫉妬"しか思いつかない。今後行く末、朝井リョウはどんどん俺の夢を先に叶えていく(東京五輪観戦、SASUKE制覇、大間のマグロ漁で一山当てるなど)と思われる。


……!!


そうだ、腕相撲だ。


腕相撲で勝負だ。腕力で勝った者が、男として正義だ。


今すぐ筋肉が欲しい。


かくして、ステロイド剤を入手すべく、バリー・ボンズ氏の待つサンフランシスコに旅立つのであった。




終わり
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2015年03月12日

メイド喫茶

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大阪に引っ越してから日本橋にばかり通っている。東京でいうところの秋葉原みたいな場所で、最近は黒いマスクをしている人間をやたら見かける場所だ(個人的には鴉(からす)と呼んでいる)。別段アニメやアイドルにハマっているというわけではない。会社の寮に住んでいるので、土日の片方にでも「お出かけした」という実感を得ないとやっていられないからである。


しかし、本当にただ赴いているだけで、必ず寄る店があるわけでないし、顔なじみがいるわけではない。最近、道中のセブンイレブンでハイボールを買い、往来のど真ん中で飲みながら不敵にニヤリと笑うという"東京"を経験した人間のみに許された遊びをしているがそろそろ痛い目を見そう(殴られるなど)なので止めにしたい。アニメイトやとらのあなに入っても、玄人が指2本で同人誌の背表紙を猛スピードで次々とめくっていく名人芸を後ろから眺めつつ心の中で拍手するぐらいしか面白い事がないので、これだけ通っているのだから、せめて行きつけの店なり、これは、と思う場所を確保しておいてもいいのでは、と熟慮を重ね、メイド喫茶に入ることにした。浅い。


メイド喫茶には昔、女の人と初めて2人きりで遊びに行った時に入った事がある。ノリでメイドさんと2人きりでちょい離れた席でゲーム(記事のトップ画像のやつ)をやる機会があり、「彼女さんですか?」という質問に「ええ、まァ、そうっス…」と答えてしまった。以来、友人と話す時はその女性を経験人数の1人とカウントして話している。その女にボッコボコに振られた話はそのうちここで書きます。もしくは新潟の実家で話します。


さて、店に入ると、奥の壁際、隅から2つ目のテーブル席に通された。左右には誰も座っておらず、店内を見渡してもそれほど混雑はしていない。とりあえず、メニューに目を通す。この店では、アニメキャラを冠した料理、飲み物などが揃っており、注文にちなんだキャラのセリフをメイドさんが目の前で演じてくれることになっている。何故知っているかというと、前にツヴァイドラゴンと来たから。地の利がある。今日からここを俺の根城とするのだ。前回は「ルフィ」という名の料理を注文したら、ごくごく普通のミートソーススパゲティを運んできたメイドさんに「海賊王に、俺はなる!!」とおもむろに目の前で宣言された。


今回は昼食後でお腹が膨れていたので、カクテルを頼むことにした。「ファーストチルドレン」1杯800円。カクテル1杯の割には提供までなかなか時間がかかった。待つ間、左隣に男が座った。年頃40手前ほど。注文を取りに来たメイドに「5日連続で来ちゃったよ!」とフレンドリーに話しかけていた。平日は仕事帰りに立ち寄っていると信じたい。なぜなら、無職にフレンドリーさで負けたくないからだ。彼は普通の「アイスコーヒー」を注文し、退店まで目を細め、遠くを見ていた。


そうこうしているうちに、「ファーストチルドレン」が運ばれてきた。ソルティドッグだ。グラスの縁に塩がぬってあったから多分そうだ。知ってる。そして"口上"が始まった。


メイド「えー、こちらセリフがセットになってるんですけれども、よろしいでしょうか」
しきぬ「どうぞ。」
メイド「"貴方は死なないわ。私が守るもの"。ありがとうございました。お会計はテーブル制となります。お手元のベルでお呼びください。」
しきぬ「はい。ありがとうございました。」


エヴァンゲリオンに造詣が深いわけでないので、全く糸口が見つからない。「ありがとうございました。」も「…押忍。」ぐらいの意味合いで、稽古つけてもらって恩に着ます、ぐらいの心持ちなのでこんなことではフレンドリーにメイドさんと話せるわけがない。酒が入ってこれなのだから立場がない。どうしようもないので、「セカンドチルドレン」で巻き返しを狙う。


客が増えてきた。前にはおそらく学生グループ。右隣には、超新塾みたいな格好のジジイ2人組が座った。1人は左足にギプス、松葉杖をついており、糖尿病の治り具合を「最近は自力で30m歩けますねん」とメイドさんにレポートしていた。病気というカードを切れるのは強みだ。いつかどこかの臓器を摘出したら、女性とポップに話せる日が来るのかもしれない。


セカンドチルドレンを待っていたら、メイドさん達によるショウが始まった。いついつどこそこのライブハウスでこの曲を披露します、よかったら見に来てくださいねと。タブレットを回し回し完全にカンニングしながら歌っていたが、誰も突っ込んでいる人間はいない。アイスコーヒーの男は遠くを見ている。セカンドチルドレンを持ってきてくれ。


ライブが終わり、トイレに立ち帰ってくると、大学生グループの1人が四つん這いになっており、「涼宮ハルヒを模した何らかの口上」と共にケツを蹴られている。ケツを蹴っているメイドさんは研修中の札を首から下げた、ショートカットで、遠巻きに見ていて一番可愛い娘だった。やるせなかった。店を出ようと尻が浮きかけたが、やっとセカンドチルドレン800円が運ばれてきた。カシスオレンジだった。


メイド「こちらもセリフがセットになってるんですけれども、よろしいでしょうか」
しきぬ「どうぞ。」
メイド「"あんたバカぁ?"ありがとうございました。」
しきぬ「はい。ありがとうございました。」


俺はバカだ。ちゃちいカクテル2杯で1,600円だ。たった2言セリフを賜ったところで割に合わないのだ。えぐりこまんかいメイドの土手っ腹に。今日だけでもアイスコーヒーの無職、学生グループ、糖尿病に負けているのだ。ブログで鬱憤を晴らしている場合じゃないだろう。弾まさんかい会話を。気持ち悪い毒の汁をジーパンの裾から垂れ流しながらでもいい、可愛い女の子とコミュニケーションを取れればいいじゃないか。経験を積め。着実にだ。日本橋では生きていけない。


次はメニューの「涼宮ハルヒ」を注文してみます。
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posted by しきぬ ふみょへ at 01:39| ラスベガス ☁| Comment(0) | 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月25日

朽ち果てる

最近、「朽ちていく木」のイメージが頭から離れなかった。

砂っぺりに1本だけ立っているポプラの木が徐々に徐々にボロボロになっていくイメージ。ACのCMが延々と頭のなかで繰り返されていた。震災後か俺の脳内かというくらいに。

去年の春から大阪で働いている。内勤なので一生事務処理をしている。部署の平均年齢はべらぼうに高く、定年前のおじいちゃんが、定年前のおじいちゃんから「あほんだら」「絞め殺すぞ」など、ネプリーグでは絶対に正解として出てこないような5文字で怒鳴られている、という世紀末、199X年のような職場で、その光景を横目に、干からびたブルーギルみたいな顔で電話代やガソリン代の処理をやっている。怒号が飛び交うたびに、頭の中ではまた「朽ちていく木」の映像が投影される。このままじゃ自分もああなると思う。パソコンの電源を引っこ抜いて走って退社して遠くの鳥貴族で生大280円を飲みたくなる。


5歳年下の彼女が出来た。東京に住んでいた。インターネットで知り合った。毎月、深夜バスに乗り、新宿南口に8時間かけて巴投げされていた。彼女の口癖は「ちゃんとしろ」だった。5歳年下の女の子から「ちゃんとしろ」を浴びせられている今年、齢(よわい)アラサーを迎える俺。お互い離れ離れのままじゃ、一緒に過ごしていくことはできない。東京に居を移したいけれど、"スパン"で物を考えたことが無かった俺は「いつかね」と彼女の言葉から逃げ続けていた。


彼女の生理が、1週間来なかった。事態の深刻さがしばらく飲み込めなかった。俺は去年まで童貞だった。思考が「人生とは」に逃げていた。もし妊娠していたとしたら?子どもはどうするんだ。彼女から聞かれた。当然責任を負うべきです。しかし、俺の答えは最悪だった。こうなるだろう、という現実的側面から鑑みた結果をただ口に出した。そうじゃなかった。絶対にそうではない。何もかも甘えていた。窮地に立たされると本当の人間が出る。ただ空洞の自分に出会ってしまった。彼女から別れを告げられた。俺は泣いていた。彼女は泣いていなかった。本当に泣くべきはどっちかは判っていた。


妊娠はしていなかったが、もう埋まらない溝が開いていた。最後に、観る予定だったモンスターズ・ユニバーシティを2人で見た。前のクリスマスには"インク"を観ていた。マイク・ワゾウスキに感情が移入できない移入できない。映画が終わると彼女は通話を切った。俺はアルコールを摂取した。彼女に電話を入れていた。40件。覚えていなかった。夜勤の休憩中の彼女から返事が来た。「迷惑だからやめて」と言われた。当たり前だ。地雷から地雷へ飛び移っている。


こうして文章にして消化しよう、という行為さえ汚い。女々しくてかよ。外の空気を吸いたくて、コンビニに行った。いつもと同じジャケットを着てたのに、体の内側から寒気が止まらなかった。考えた。朽ちた木だ。ちゃんとしなくてはならない。ちゃんとしなくてはならない。
posted by しきぬ ふみょへ at 04:07| ラスベガス ☀| Comment(0) | 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月27日

涙くんさよなら

大学進学とともに上京し、就職、かれこれ5年間を東京で過ごしてきましたが、この度仕事の関係で大阪に転居することになりました。会社や友人たちからは、ありがたいことに送別会も開いてもらい、思い残すことはない!と大阪に移る準備を進めていましたが、その時ふと、5年間、いや、24年間ずっと脳内で肥大し続け、なんかもう逆にあって当たり前みたいになっている影があったことを思い出しました。童貞という名の悪性腫瘍でした。

最近では、「もうこの病気とうまく付き合っていこう」と、ニコニコしながらリハビリ科のスタッフに笑顔を振りまいていたのですが、このしこりには簡単な治療法があることはとっくに気がついていました。ソープランドに行くことでした。しかしながら、社会人になりお金に余裕ができてなお、「愛」の兜を被り、ええい!穢れたセックスはセックスと認めん!!!と意味なく刀を振り回し続けていたため、足がそちらに向かうことはありませんでした。

そんな中、大阪異動が申し渡され、東京に未練のないようにしよう、やり残したことは?そうだ、セックスだ!と踏ん切りが付き、頭にメスを入れることを決意しました。鉄は熱いうちに、と明日決行と手帳に記入。まず、なぜか俺の人生の節目節目に立ち会っている全身黒川涼秋さんにお伺いを立てることに。俺の決意を受け入れると、いつの間にかスカイプ越しではなく俺の斜め後ろに実体化し、店、嬢選び、予約の電話まで付き合ってくれました。「ワシはもう何人もこうした若者を見送ってきた」との弁でしたが老師自身が童貞なので深みゼロです。

店探しは難航、キミに決めた!と意を決して電話をした嬢の予約がすでに一杯、という事態に脳動脈瘤が2度ほど破れながらも、3度目の正直、と決めた女の子でついに予約をすることができました。「小柄でしょこたん似ですよ!」と涼秋さんにハイタッチ。店員に名前、送迎の有無を確認され(最後まで自分の足で大地を踏みしめていきたい、と送迎は断った)、仕事帰りに店に向かうことになりました。場所は吉原、100分コースです。マサラタウンからいきなりチャンピオンロード。

翌日夜、日比谷線三ノ輪駅を降り、店に再確認の電話、ナビを辿りながら店へ。吉原という場所は、ネオンバリバリのお風呂屋さんの間隙にごく普通に住宅が点在しており、肝心の店もマンションの駐車場前の路地を挟んだところ、みたいな異様にわかり辛い立地でした。生きてきてスマートフォンを初めて有効活用したな、と思いました。

入店し、控え室に通されます。前金を支払い、ウーロン茶を飲みながら、声のかかるのを待ちました。周囲には同じように仕事帰りと思われる方々が多く見受けられましたが、果たしてあの中に、今日腫瘍を取り除こう、という人は居たのでしょうか。

いよいよ店員から声をかけられました。階段の踊り場に、俺の運命を握っているその人が立っています。ゆっくりと顔を上げ、確認すると、左の二の腕には、イバラのタトゥーが巻きついていました。俺はこのイバラの腕で搾り取られるのか。荒療治にもほどがあるんじゃないか。クラクラしながら嬢に挨拶し、手を握られながら案内されます。「お手洗いは?」と聞かれ、心の安定を取り戻す意味もあり促されてトイレへ。動揺、そして2割の甘勃起のせいで狙いが定まらず、周りをビシャビシャにしてしまいました。再来店の時に殺されるでしょう。

大正の文豪みたいな表情で外に出て、いざ部屋へ。しかしまたここで、土足で上がろうとしてしまい嬢に「靴は脱いでね」と怒られました。この時点での2ミスは前代未聞のペースでしょう。「あ、アメリカかと思って」という切り返しの時点で俺は舌を甘噛みしはじめていたといいます。経験のある男性はご存知かもしれませんが、部屋は入って右手にベッド、中央の仕切りを跨ぎ、左手にバスタブとシャワー、という構成でした。

ベッドに座り、自己紹介。しっかり顔を見ると、しょこたんから倖田來未にモーフィングする途中、みたいなルックス。ここで、俺は童貞である、という事実を告げました。おお……という反応のあと、会話に若干の間。ここで舌を挟んだ上下の顎に力を入れようとしたのですが、「じゃあ、責任重大だね」と笑顔に。プロフェッショナルに安心して体を任せよう、と思いました(イバラ巻いてるけど)。

お互いに服を脱ぎ、まず体を洗ってもらいます。ボディソープやローションなどを色々と調合し、密着させながら体を洗ってもらう俺。まさに「鎮座」という感じでスケベイスの上で微動だにしない。「足、乗せていいよ」と言われるがままに嬢の太腿に足を乗せたんですが、ズン、と踏んでしまい「そんなに強くしなくても」と苦笑されました。もう人間ではなく、俺は「像」です(後述のマットでも、「体硬いね」と言われました)。これを読んでいる童貞の方は、1ヶ月ぐらい前から体を入念にストレッチして臨んだほうがいいかもしれません。キャンプは大事。

そして入浴。2人で歯磨き。強くこすり過ぎて歯茎から出血する俺。血染めの歯ブラシを見て嬢に爆笑される。ほんとに脳のどこかに腫瘍が出来てたんじゃないか?というぐらい体がいうことを利かない。というかまだ一切行為にいたってないのにここまでミスを重ねるのか。「俺は大学を出た」を心の中で繰り返し正気を保ちました。ひょっとしたら口に出していたかもしれません。

ここでようやく、キスやフェラ、といったスキンシップに移る。長かった。今俺は舐められている、体も心の内でも。風呂でのいちゃいちゃはすぐに終わり、ベッドへ。またしばらく人間パルテノンこと俺を弄んだのち、嬢はコンドームを開けました。いよいよか。手馴れたもので、装着はほんの一瞬です。TVで見た、和紙を漉く女性職人を思い出しました。

俺の上にまたがると、挿入自体は一瞬でした。危惧していた寸前での刀折れ、はありませんでした。入ってしまえばあっけないもの、という話は先人から仰せつかっていましたが、予想以上にすんなりでした。「俺にも生物として、バトンを次に繋ぐ役割があるんだ。あって良かったんだ。生きている。青い空、白い雲、紺碧の海……」などと思い浮かべていたら、ちんちんが気持ちよくなってきて普通に達しました。ありがとうございました。俺の長い第一部が終わった気がしました。嬢には「おめでとう」と言われました。

嬢は俺の24年間をゴミ箱に片付け、しばらくブレイクタイム、身の上話など。向こうは29歳である、ということをカミングアウトしてきました。確か公称は22歳だったはずで、吉原年齢、といわれるようにだいぶブレがあるらしいとは知っていたものの「あ、それ言っていいんだ」というのに若干驚きました。高校を出てすぐに上京し、風俗で働き出したらしい。何か夢は?と、野暮の権化こと俺が尋ねると「ない」と。


「ああ……世知辛いっすね」
「せちがらい?」
「切ない、みたいな」
「あ、なるほどね。難しい言葉使わないでよ、ワタシバカなんだから」


「女性を買う」という商売は絶対に無くならないと思いました(ちんちんがだんだん回復しながら)。

ちんちんが回復したので、再度体を洗うために風呂へ。ここで「そのタトゥー、何?」と聞いてみたら「わからない、練習台だからって安くやってもらったんだけど」と何でもないかのように返され、「わからんものを大事な体に彫るな!!!」と風呂を十戒しそうになったのですが、ちんちんが気持ちいいほうがいいので気持ちを収める。マットやりたい?と提案されたので「ハイ!」と答えました。

壁に立てかかっていたマットをバタン!とセッティングし、ローションを垂らす様を工場見学のアホの子のように見守り、マットにうつぶせに寝るように指示を受けました。体勢的に目に映るのがタイルだけなので、「ああ、引っ越す前の風呂掃除やってないや……」と考えていました。アナルを舐められながら。

仰向けに姿勢を変え、再びコンドームを装着、先ほどと同じ騎乗位でしばらく挿入、ここで俺は「スイマセン、攻めてみてもいいっスか?」と"お伺い"を立てました。スマートさの欠片もない、それはまさに"お伺い"でした。日本人だから。ベッドにまた移動、人間洗車機こと俺が嬢をポリッシュしまくったのち、正常位→バック→正常位で完。膣内射精障害、なんかあるらしいけど、普通に俺はモンキーでした。安心。

シャワー、風呂で体を洗い、服を着てちょうど時間。帰る途中の階段の踊り場で「ありがとうございました」と野球部のように深く一礼。ああ、俺のセンバツが終わる。最後に店員に渡されたアンケートには、「100点」とだけ記入、店を出ました。

ネオンの中に戻り、行きと違う道で駅まで歩きました。浅草のカップルを横目に見ながら、
「東京」
と呟き、人力車に轢かれて死にました。


【スペシャルサンクス】

全身黒川涼秋(立会人)
ユンケルライフ(行きしなのコンビニでユンケル買った)
虎猫(予約のときに本名借りた)


posted by しきぬ ふみょへ at 07:17| ラスベガス ☀| Comment(0) | 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月20日

またはじめます

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今日からよろしく!!
posted by しきぬ ふみょへ at 12:22| ラスベガス ☁| Comment(0) | 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする